第1章 女中
私の呼吸は徐々に落ち着き、
山崎さんと呉座を丸めて置いてある上に
並んで腰をかけている。
山崎
「...さっき、
寝所にいるときに様子がおかしかったから、
追いかけてきて良かった...
....さっき..寝所で何かあった?」
山崎さんの聞き方は優しくて、
ついなんでも言ってしまいたい気分になるけど...
「い、いぇ...特には....」
やっぱり、
出来るだけ自分の過去をさらけだしたくて、
言えない。
山崎
「...そっか...分かった。
ごめん、なんか変に勘ぐっちゃったね。
...実は..いや、もう知ってるかも知れないけど..
俺、監察だから“つい”困ってる仲間の
動揺とか敏感に察知しちゃうんだよね」
「(´・ω・`)監察...」
山崎
「...俺に相談出来ないなら、
相談しやすい隊長でも隊士にでも
相談すると良いよ。
とにかく一人で抱え込まないように!..ね?」
それから、
山崎さんは他愛ないお話をしてくれ
私が落ち着きを完全に取り戻したのを見計らって、
用具室を後にした。
(相談出来るような仲間が出来ると良いなぁ...)
私は用具室の小窓から、
月が浮かぶ夜空を眺めながら、
吐息一つ溢した。