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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第7章 【亡国の四騎士】王都撤退戦


走り回り、ようやくランスロットが囚われている牢へ辿り着いた。
「大丈夫か!?ランちゃん!!」
「ランスロット!!」
すぐさまヴェインとサフィアが彼に駆け寄る。ランスロットは両腕を鎖で繋がれ、項垂れ弱り切った表情をしていた。鎖を剣で切り落とし、拘束を外してやる。ランスロットは弱々しい笑顔を浮かべてヴェインとサフィアを見た。
「ヴェイン…サフィア…良かった、お前達は、無事だったのか」
「ランスロット…っ」
そっとその傷ついた頬に触れる。幾度もぶたれたのか、赤く腫れていた。
「とりあえず、動けるように応急処置をするわね」
「あぁ…すまない、頼む……。んっ!?なぜグラン達が、ここに…」
救急キットを取り出して応急処置を受けるランスロットは、ヴェイン達の後ろにグラン達の姿があるのを見つけて驚きの声を上げた。
「話せば長いんだけど…ちょっとヴェイン達にばったり会ってな!」
「王都に来る途中の森で、王都に戻るヴェインとサフィアに出逢ったんだよ」
「そうだったのか…またグラン達に助けられたんだな…」
ビィとグランの説明に納得するランスロット。また巻き込んでしまった事を申し訳ないと思った。
「無様だな、ランスロット」
事の次第を見つめていたパーシヴァルが不意に口を開く。彼の存在に気づいていなかったランスロットは、グラン達を見た時より一層驚愕した。
「パーシヴァル!?お前まで、どうして…」
パーシヴァルとランスロットは、言葉にならない表情でお互いの顔を見合わせる。彼らは黒竜騎士団解散の際、国を出るパーシヴァルと残るランスロットで、一騎打ちをした。そしてその決着は、つかなかった。なんとなく気まづかったが、それを振り払うかのようにパーシヴァルは続けた。
「話は後だ。ひとまずここから撤退するぞ」
「ま、待ってくれ!陛下や皆を、助けないと…」
「馬鹿者が!そんな体で何ができる。今は大人しく退いて、頭を冷やせ」
パーシヴァルに一喝され、ランスロットは目をみはる。そこへ、まぁまぁとヴェインが宥めるように割って入った。
「パーシヴァルの言う事は最もだけどさ、仲間を思うランちゃんの気持ちも考えてやってくれよ?」
「…却下だ、くだらん。これ以上、個人的な感情に流されている場合では無い。考え無しに戻れば、今ここにいる仲間を危険に晒すことも理解できないのか?」
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