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蒼き空、竜の名のもと【グラブル】【四騎士】

第4章 【救国の忠騎士】エンディング


カール王は残った霊薬をルフルス村の人々へ無償で提供する事を決めた。もう霊薬は作れなくとも、せめてもの罪滅ぼしとして。そして霊薬の使用を止められたイザベラは、みるみるうちに老いさばらえたのだという。
「反イザベラ派の文官達も解放された今、次のイザベラが誕生せぬよう、慎重に政治を行っていかねばな」
カール王は改めて礼にと呼んだグラン達の前で誓いの言葉を紡ぐ。
「そしてこれからは、霊薬の力などに頼らず、我々が民と力を合わせて、この国を復興して行かねば…なぁ…ランスロット、ヴェイン、サフィア?」
「はい。この身を粉にして再建に尽力します」
「我ら、白竜騎士団にお任せください!」
「精一杯、できうる限りの事を致します!」
控えていたランスロット達白竜騎士団の面々がしっかりと言葉で示す。カール王はそれに頷くと、グラン達に顔を向けた。
「すみません、手伝いたいのはやまやまなんですけど、僕達は先に進まないといけません」
「そうだったな。そなた達にはイスタルシアを目指すという目的があったな」
「それに…私、もっといろんな星晶獣について知りたいんです」
突然神妙な顔で言うルリアに皆の視線が集中する。
「実は、シルフちゃんが『忘れないで』って言った時に、記憶の断片のようなものが流れ込んできたんです」
どうやらルリアもその現象については初めての事らしい。
それは恐らくシルフを作った星の民の記憶。その星の民には不治の病にかかった恋人がいた。必死に看病をしたが、結局恋人は亡くなってしまった。星の民は苦悩した。なぜ人間はこんなに弱くと脆いのか。ひどく嘆き、星の民は恋人に瓜二つの星晶獣シルフを創りだした。星晶獣は、永遠の時を生きられるから。
そこでルリアは一度言葉を切り、涙を浮かべながら続けた。
「でも…やっぱり星晶獣に恋人の代わりはできなかった」
その星の民はシルフをここフェードラッヘへ一人残し、空の彼方へ帰ってしまった。いつか、生まれ変わった恋人ともしもどこかで巡り合った時に、同じ時間を生きる為の力を授けて。
「それが不老長寿の霊薬を創りだす能力だったってわけか…」
「はい…自分と同じような境遇の誰かに、もう二度と、恋人を病で喪う思いをさせたくないって、願いも込めて…」
シルフに授けられた里からの意味を知り、一同はなんとも言えぬ思いを抱くのだった。
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