第2章 目の前に現れたのは
青年はしばらく考え込んだ後に信じがたいことを口にした。
「俺はある国の王子だ。本当に俺のことを知らないんだな?」
王子…?この人王子って言った?王子って、あの王子…だよね?
『全世界の全ての王子を把握しているわけではないんですけど…』
「全世界の王子?そうか。こっちには多くの王子がいるのだな。」
こっちの世界?さっきからこの人は良くわからないことを言っている。なんとなくだし、実際考えたくはないけど、漫画とかラノベとかである異世界転生とかトリップとかいうやつなのか…?いや、決めつけるにはまだ早い。そういう世界観の役作り的なやつかもしれないし。
「俺は、異世界からやってきた。嘘だと思うかもしれないが事実だ。」
私はその言葉に絶句した。