第9章 こんなところで会っちゃうの?
無事裕香を駅まで送り、家に帰ってきた。漸く、漸く長い一日が終わる。本当に長かった。
『ただいまー。』
リビングに戻るとそこにはテレビをかじりつくように見ているソルがいた。
「おお!帰ったか!このテレビというものはすごいな!ボタン一つで様々なものが見れる!!これはあれか!遠隔透視魔法のようなものなのか!これも電気というもので動いてるようだが…」
テレビの感動を伝えてきたと思ったらそのまま自分の世界に入って考え事をしている。
基本的に大人っぽいのに所々子供っぽいなー。その方が可愛げがあっていいけど。
そんな事より、時刻はまもなく24時だ。もう疲れたしさっさと寝よう。朝シャワー浴びればいいや。
『テレビに興奮してるところ悪いんだけど、私そろそろ寝るからソルも寝るよ。』
「そうか…ならば仕方ない。」
あれ、意外と聞き分けいいな。
ソルも疲れているのか、今までのソルからは考えられないくらいすぐに動いてくれた。
リビングの電気を消し、自分の部屋に向かう。
『じゃあ、おやすみ。』
「おやすみ?」
『ああ、これ寝る時の挨拶だよ。』
「そうか。」
そう言って何故かソルは私の部屋に入ってきた。
え、なんで?