第2章 目の前に現れたのは
『はー。平和だねえ。』
「にゃー。」
ここはとある大学の敷地内。私はこの大学の生徒。両親を早くに亡くした私だが、親が残してくれた財産のおかげで大学に通えている。
毎週金曜日の午後は講義もバイトも無く、お昼になると外で日向ぼっこをすることが習慣付いていた。そんなわけで大学に住み着いた猫ちゃんと日向ぼっこをしている。
『なーんか面白いことないかなあ。』
何気なく発した一言。
この後、本当に面白いこと、いや、面白いどころじゃなくて、まるで夢のようなおとぎ話のような事が起きるなんて知る由もなかった。