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【DB】彼岸花

第2章 プロローグ







ーー 朝霧家・玄関


蓮「ただいま帰りました…」


ドカッ!!


蓮「!?」


家に入った瞬間、あたしの身体はまた外に吹っ飛んだ。
蹴り飛ばされた…そう認識するのに時間は掛からなかった。
その犯人は言わずもがな……叔父だ。


叔父「こンのボケがぁ!!帰ってくんのが遅ぇんだよ!!」


叔父はあたしの身体を蹴りながら暴言を吐く。


蓮「ご…ごめんなさい叔父さん。ちょっと授業が長引いて…」


叔父「言い訳してんじゃねーよ!このクズがっ!!」


そう言って叔父はあたしの髪を掴んでズルズル引きずって家の中に入る。
そのまま暫く殴られた後、腹が空いたと言う叔父に食事を作り風呂を沸かした。
だが叔父は食事を済ませた後、また何処か行ってしまった。
多分また組に行ったのだろう。


叔父は内山組と言うヤクザの組の幹部を務めている。
だから家には余り居らず、基本的にはあたし一人だ。
正直、そっちの方が良い。
あんな奴、もう帰って来なければ良い。
けど、あいつは必ず帰って来る。
そしてまた、あたしをイライラの解消に殴る。
そんな生活が、もう10年以上も続いてる。


(あいつらがいなかったらあたしはきっと、とっくの昔に精神が壊れてたかもな……)


こんな時に浮かぶのは、みんなの顔。


(迅…鉄先輩…瑠花…)


蓮「ありがとな……」(ボソッ


あたしは小さく呟いて、自分の部屋に戻った。


あいつらがいるから、あたしはきっと、これからも頑張れる。
負けない…あいつなんかに…。


だけど翌日、まさかあんな事になるなんてこの時のあたしは思ってなかった……。





第2章 終わり
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