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〈イケメン戦国〉紫陽花の咲く季節

第3章 初陣


安土城を出てから一時間くらい経った頃。
私はちらりと腕時計を見た。

(うーん、夕方6時かぁ…)

私ははぁ、とため息をついた。

今日はいったいどれくらい馬に乗ればいいのか。
もうお尻が限界を突破してなにも感じなくなってしまった。

なぜか知らないけど途中からちょっと小さめの馬に乗せ変えられて、足軽の人(?)引いてもらっている。

「飽いたか」

少し前にいる信長様が私に尋ねた。

「いえ。ただ…歩きなんだなぁって」

私がそう言うと信長様は少し馬の歩く早さをゆるめ、私の馬の隣に並んで言った。

「何を戯けたことを言っている。全員が馬に乗れるわけがなかろう」

「たしかにそうですね」

私は前と後ろを見渡す。

(歩く早さが早いんだよなぁ)

行軍の早さは私からしたら早歩きくらいだった。
皆武器や道具を持ってるのにすごいなと思いながらまたぼんやりと前の方の景色を見やった。

(たしか大河ドラマでは大将は後ろの比較的安全な方のところの天幕にいて指示を出してたはず)

私はそう高を括っていた。

もっと歴史を勉強した方が良かったのかもしれない。

椿に信長様がどんな感じの戦いをしていたのか聞くべきだったかもしれない。




だって、

まさか前線に出るなんて予想もしなかったんだもん。
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