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Garnet 真恋 ~初恋と宝石Ⅲ~ Kazu.N

第93章 二人のお兄さん


 カズside

 ー行きつけ飲み屋ー

  智「兄貴、母ちゃんの性格に似ててさ『智、少年事件の弁護士とかより普通の』…… とか言うからさ……」

 カズ「普通って何?」


 俺……ちょっと……ね? 

 いくら兄貴でも、翔ちゃんの事を『カラカウの面白い』

 って言ったのがどうにも気に入らなくて……

 智「すげー、俺様だろ? オイラ、杏の事があって、女性が子供産み育てる。って事は、男が計り知れない苦労とか思いがあって…… オイラの選択で、傷つけたんじゃないかって……『私は幸せ…… こんな風に私の事を、真剣に考えてくれて。これからも、ずっと少年事件や、可哀想な子供達。様々な理由で施設に入った子供達を、守ってあげてほしいの』って……翔ちゃんと再会して、離婚って子供だけじゃなく大人も辛い事で…… 弱い立場の女性が離婚ってなった時の弁護も考えようか? とか…… とにかく『普通』って何? 『弱い立場の人守れるような弁護士になる』のがオイラの『普通』なの! って兄貴に言ったんだ』

 雅紀「一見大野さんポヤーってしてるけど…… 堅実だよね? なのに……」

 智「いいよ雅紀くん。兄貴さ、大学時代から麻友子さんと……『いくら心の広い彼女でも、いい加減にしないと今に愛想尽かされる』ぞって……」

 カズ「早く家を出たかった理由…… って敦さんの事もあるんだ?」

 智「カズくんは…… 鋭いんだから。身を滅ぼすって言っただろ? 母ちゃんが出て行く迄、兄貴に『この家の跡取りは敦なんだから』って。だからって、仲が悪かったとかじゃない。跡継ぎの事に関して『どうぞ兄貴』って思ってたし。かと言って、俺までは親父の会社に入る必要なくね? って……」

 潤「氏より育ち…… か。根っからの俺様には、なれない人だと思うよ? 姉ちゃん『子供が出来ない』って伝えて『結婚は……』って…… 『それでも、私を選んでくれたんです』って言ったら『智はそういう奴……それに、我が家に健ちゃんが…… 一般的な形と違うかもしれないけれど、子供が授かって良かったね』って言って下さったって泣いてたよ……」

 智「兄貴……」













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