第54章 バイトを辞めさせて下さい

　何も私は気付いて無いの!　

　だから何も言わないで!　

　そんなオーラを送ったのに……


　カズ「翔ちゃん、だからどうこうっていう訳じゃなくて。珠稀ちゃんは一歩踏み出したみたいだね？　相葉さんは、彼女の奥底にある恐怖とか一生懸命取り除くように、心を開けるように心配りしてる。彼らなりのペースで上手くいってるみたいだよ」

　翔「二宮さん、私と珠ちゃん別の人間だから……　珠ちゃんが『私みたいにこんな簡単に決心が揺らぐって……　翔ちゃんみたいに思いを貫く事出来なかった』って……　だから私返したんです｡『いつまでも拘ってる私の方が間違ってるの。珠ちゃんは幸せになってもいいんだよ？　って……」


　カズ「翔ちゃん？　何を考えているの？」

（二宮さんなら察して下さる。キチんと言わなきゃ。バイト辞めさせて下さい……　って……）

　翔「二宮さん、バイトを辞めさせて下さい」



　二宮さんの

　何とも言えない表情が……


　胸が痛くて……



　ゴメンなさい


　……二宮さん……