Orange Topaz~初恋と宝石~【kazu.N】
第4章 憂鬱2号~苺~
「……」
返事したくない……無言で通話ボタン押したのにさ。
タケル『のんちゃん! 帰って来い!』
ヤマト(兄)と双子のタケル(弟)
何なの! 二人して!
のん「うるさい! タケルにい! 今ヤマトにいに同じ事言われた!」
タケル『ヤマトはヤマト! いいから無茶しないで帰って来い!』
のん「無茶してない! 子供じゃない! パパが許してくれた!」
何で、私には自由はないの?
何で自立したいって思ったらいけないの?
タケル『のんちゃんに何かあったら俺……』
タケルにいは、感情的で、俺が守ってやる! と押して来る。
いつも助けられている。
感謝しているけど、でもね……
俺がいないと何も出来ないだろ! という感じが堪らなく嫌……な時があるの。
のん「ほっといて!」
タケル『のんちゃん!』
いつも従順な妹なんかじゃないんだから!
タケルにいが叫んで居るけど知らないもん!
今度は携帯の電源ごと切ってやった!
もう! 完璧遅れたじゃない!
幼馴染みの亜子、結衣きっと怒ってるよぉ。
てか、私のせいじゃないじゃん!
ヤマトにいとタケルにいへの憤りをブツブツ……すれ違う人に、やばい奴だ……みたいな目で見られるし、振り返えられて……
はぁ、何か……疲れちゃった。
虚しいと同時に漠然とした不安に襲われてきて……
そっか……分かった……だから二人していつも以上に……