第4章 選択は
「…はぁ」
この日何度目か分からない溜め息をつく
今は昼休みで、教室には多くのクラスメイトが楽しくおしゃべりをしている
(おいお前ランクいくつになったんだよ)
(おれ?へへ110!)
(まじか〜抜かされた)
(はっ低レベルな会話してんな俺120〜)
(対して変わんねぇじゃねぇか。)
(そういえばあのドラマのみてた〜?)
(あぁ〜あれ?みてたみてた〜面白かったよね〜!)
(なにそれ?なにそれ!)
(ほら、主役のあの子役の子がさ、ヤンキー…)
ガタンッ
神経を研ぎ澄まして探していた単語が出てきて、立ち上がる
(みたいな性格で、、児童養護施設の話っ)
(あぁあれね。まだ録画して見てない〜w)
(えぇ〜早くみた方がいいよ!)
誰も立ち上がったことに気づいていない
いつもの会話だ
少し神経質になりすぎてるかな…
あいつの言葉が思い出される
昨日
「ばらされるか俺のモノがどっちがいい?」
俺のモノというのはよく分からないが、ばらされるのだけは避けたい
クラスに、っていうか学校にあいつがばらしていないか今日一日中クラスの会話を聞いているのだが
あいつは誰にも話していないようだ
「ま、ばらしてちゃ選択の意味ないもんな」