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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第3章 〜全てはここから始まった〜





その日、東都米花町の昼時の天気は雲一つ無い快晴だった。
巷で有名な名(迷)探偵・毛利小五郎が住む自宅の下では、喫茶店ポアロが来客のピークを迎えて満席状態になっている。
そこでは、毛利家の居候の少年・江戸川コナンが居候先の娘・蘭とその友人の園子とともに、テーブル席に座していた。
然し、女二人は仲良く話すのだが、黙って聞くだけのコナンの視線が何故かある一点ばかりを見つめていた。
それも珍しく呆然としていて、理由も無いのに惹きつけられたのだ。コナンの視線の先は最奥、テーブル席に仲良く座る三人の男と一人の女に注がれた



「(…うわ。なんつーか、とにかくすげぇの一言に尽きるぜ。園子じゃねぇけど美形揃いで、全員人間離れして見える…)」



相手の見目など気にせぬコナンでも、ついそう思う程の異質ぶり。
と言うのも一体何処を探ぜば、白髪と金眼で外見が白な女より痩せてる色男や、長い黒髪を一つに縛る赤いマニキュアの似合ってる色男、赤い瞳とクリームの髪が似合う随分可愛い少年、などに出会う事があるだろう。

それは連れの女も同じ事で、男達には及ばぬものの『絶世の美女』と呼ぶに相応しい世間離れした愛らしい美貌や、大和撫子を思わせる様な可憐で淑やかな雰囲気があった。
艶やかな黒髪をバレッタで纏め、服装はシンプルに縞模様Tシャツの上に紺のカーディガンを羽織っており、下は黒いロングスカートとグレーのヒールを履いた格好だ。それらを綺麗に着こなす姿は、まるで気品ある貴族の姫様。視線を窓ガラスの向こうにやって、優雅にジュースを飲んでいる。

そんな四人組は雑談ばかりで、他の客人やポアロの店員───榎本梓がチラチラと見ても一切気にしていない様だ。
つまり彼らは彼らの世界で、他人なんてどうでも良いらしい。
だからか、普段はキャーキャー騒ぐ園子すらも蘭と声を抑えて話しながら遠目で密かに観察するし、連れの女性には嫉妬どころか寧ろお似合いだと全員が思った



「(……だけど、なんで女子高生が満員の喫茶店で不自然に話し声を抑えるかなぁ。おかげで気になって仕方ねぇよ)」



周囲のざわつきが小さい所為か、耳が良いコナンは隣の列の二席前でも声がはっきり聞き取れてしまった。これではまるで盗み聞きだ。
が、何故だか不思議と罪悪感が無い。
寧ろどんどん興味が湧いて、欲望が勝手に聞き耳を立て始める。
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