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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第19章 〜大阪心霊現象ミステリー 初日編〜



遡ること三年前の大阪府、とある田舎町の廃墟で殺人事件があった。事件は連続で十件以上に昇り、逮捕された容疑者は愉快犯として現在も刑務所の中にいる。当時のニュースや新聞などでも連日取り上げられるほどのものだった。しかし、今ではすっかり世間の悪いニュースの影に埋れており、この事件の記憶は綺麗に色褪せていたのだ

……ところが

ふと、そんな事件の現場となった廃墟で、今更ながら心霊の噂がたつようになった。これに明確な理由や発信元は全く分からないが、実際殺人事件が起きた場所というのもあって、一気にホラースポットとして一躍有名になってしまう

そして、麻衣と安室と刀剣達が依頼で向かった先は、この廃墟での心霊現象によって被害を受けた女性と家族の住居であった









安室が愛車のRX-7を運転し、九十九神社に訪れたのは朝の八時ごろだった。神社近くの駐車場に車を停車させて運転席から出ると、麻衣と二人の男達が安室の元へ歩み寄る。刀剣達と思しき男達は二人おり、どちらも黒のスーツを少しゆったりと着こなしていた。一人は危うく地面につきそうな長髪を先端部分でくくり、主色のグレーにメッシュなのか白が入った穏やかそうで長身の男。もう一人は、にっかり青江だった。麻衣は彼らを率いて、いつも通りの微笑を浮かべて安室に挨拶を告げた


「おはようございます。今回はよろしくお願いしますね」

「やぁ、君が安室透くんだね?僕は青江笑、隣にいるのは青江恒次さ」

「我々は同派であり、人間で言う従兄弟のような関係です。青江ともども宜しくお願いいたします」

「っ?!!」


最初の麻衣に続いて、にっかり青江と青江恒次と名乗った男も各々声をかけてくる。前者は砕けたような口調で妖艶な笑みを浮かべているが、後者は心地よくなる低音の声と敬語で優しい微笑を見せていた。そして青江達と初対面の安室は、最後の青江恒次の声を聞いた途端にハッと息を呑んで両目を限界まで見開いた

それからほんの数秒間、安室にとって長く感じた妙な沈黙が流れる。その要因の青江恒次───もとい数珠丸恒次は、自分の声に反応し驚愕したまま黙り込んだ安室に首を傾げ、間を置いてから声をかけた


「……安室殿、どうかしましたか?」

「えっ?!い、いえ、申し訳ありません!知り合いの声に似ていたもので…っ」
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