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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第16章 〜山姥伝説 後編〜





あれから一旦昼休憩を挟み、1時間ほど経って町民達のご飯時を避けると事情聴取が再開された。しかし結果は変わらず、町民達全員のアリバイが証明されたのみ。村の外に住む関係者達もあたってみたが、仕事やプライベートによるアリバイが成立している事が確認できた。恐らく村の外の人間達は信用できるだろう、というのが現状における意見だ。そして村人達の怪しさが増す一方、完璧なそれを崩せる手立てがない

そのまま特に進展が無いまま、時間は遂に夕方を迎えてしまった。彼らは近場にホテルがあったが、温泉を使っただけでご飯はコンビニの物を食べた。その頃には真っ暗な夜空になっていて、最初に合流した場所に戻ると時間が8時という丁度良い時間帯だった

そして村の張り込みを兼ねて、車内外泊をする事になった。不寝番には二人の山姥切が当たられ、刑事二人と麻衣達は少し早い仮眠を取り始める。ところが、風見は自身の車内で一人寝転んでみても一向に眠れなかった。加えて脳裏に過り続けるのは、山姥切国広の言葉だった


『この事件は人間が起こした事に違いないが、『血塗れになった人間が山で惨殺死体と共にある』その姿…。それこそ、まるで山姥のようだと思わないか?』


言われた当初と違い、冷静になった風見は改めて思い出しては素直に成る程と納得する


「(……俺は幽霊も妖怪も信じちゃいない。しかし彼の言い分は横暴だったが、きちんと説明がつけるものだった。完璧すぎる村人達のアリバイも怪しいが、仮に『山姥』と呼ぶ第三者の存在も視野に入れないといけないな…)」


これは風見にとって公安に勤めて初の、不気味すぎる事件だ。犯人に関する手がかりがゼロで、正直甘く考えていた自分がいたのを実感しては深いため息が出てきた。この有様では、再び上司に『よく公安が務まるな』と怒られてしまう。しかしそんな事を気にしながらも、風見は先が見えない捜査に僅かな不安を抱いていた








その頃、麻衣達が乗ってきていた車内の中はと言えば。二人の山姥切を除いて、全員が寝転ぶ事なく五人で話し合いが行われている所だった。二列目には源氏兄弟が二人並び、三列目には青江と麻衣と五虎退が座っている。眷属である大虎の姿はない。彼らは各々外を警戒しながら、麻衣と事件について表立って出来なかった考察を始める
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