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【BRM】太陽と鼠【裏】

第4章 秘


夜道を走りながら、たまに会話をした。
どうだったとか、何がよかっただとか、試合のお話ばっかり。
恥ずかしくて、何も言えなくて、返事と相槌くらいしか出来なくて、情けなくなる。
(すごく、綺麗でした……)
そういえば、今もこうして、くっついているけど、私の手で汚してしまいそうだと思った。
私も綺麗だったらよかったのに。
白いせいで、余計に浮き出て見えてしまう腕の痣とか、血色の悪い爪とか。
触れているのが申し訳ない。
何も考えていなかった。
腰に回している腕の力を抜くと、急いで抑えられる。
「死にてえのか?」
「…あ、そういうわけじゃ……」
走行中だったのすら忘れていた。
「じゃあ、なんだ」
静かに怒りが伝わる。
「ごめんなさい、あまりに綺麗だったから、汚してしまいそうで…」
素直に呟く。
「なんだそれ…」
「……っ」
気迫に思わず身震いする。
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