• テキストサイズ

最愛 【黒子のバスケ】

第4章 揺れる心


side緑間

何のために呼ばれたのかさっぱり分からない俺は玲子との時間が惜しくて本題に入るように促した。


「黒須と知り合いなんだろ?」

思いもよらない青峰の言葉に驚愕と同時、若干の焦りを覚えて嫌でも眉間に皺が寄った

おそらくみさきが何か変なことを口走ったのだろう

みさきが知り合ったばかりの青峰に自分の事をあれこれと話すとは考えられない

最初の質問で何を意図しているか分からない俺はみさきと友人であっても不思議はないだろと返したが、青峰が知りたかったのは俺を名前で呼ぶほど親しいのはなぜなのかということだった。

答えによってはこの場から帰るつもりで意図を確認した。

興味…
その程度の奴に話すことなど何もない。

余程正当な理由でない限り俺はみさきとのことを口外するつもりはない


これ以上話すことはないとレジに向かう俺の耳に青峰の声がはっきりと届いた


「好きだ」



意志の強いあいつの声が店内に響き視線が俺と青峰に集まった

これでは俺が告白されているように捉えられかねない

慌てて席に戻り牽制するが青峰はそんな事気にもしていなかった

もう一度席に座るとまっすぐなあいつの目が俺を捉えてみさきを好きだと言い切った

何とかいい言い訳はないかと探すが見当たらず黙っていたら先手を打たれてしまった
この俺が青峰にしてやられた…


おそらく俺とみさきに特別な関係がある、ないしはあったなどと勘違いしている青峰にそうではないと伝え、差し支えのない部分だけを伝えた

父の患者であることに驚いていたがここから先は俺だけの判断で口外することは許されない
何よりもこれ以上みさきが傷つくことは絶対に避けたかった。

話すことを強く拒絶すると、察しのいい青峰はこれ以上聞き出せないと分かったのか俺に続いておとなしく店を出た

結婚式であわやというところを青峰が助けたことはもちろん知っていたがそれだけでみさきを任せられるとは到底思えない

結婚式でみさきを助け、場を混乱から守ってくれたことには感謝している

だが好きだとなればそれは別問題だ


踵を返して帰ろうとするあいつに忠告をすると、短い返事が聞こえた。

青峰を信用していない訳ではない。
それでもみさきの頑なな心を解きほぐすならば相応の覚悟をしてもらう必要があるのだよ。
/ 1719ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp