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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

却下された理由を聞かれたから、シーズンと被って会えないだろって言うと少し黙ってから「青峰君に彼女がいたら会えないでしょ」とか言われたけど、俺はお前以外と付き合う気はねーんだよ。

好きでもねぇ女に誕生日プレゼント贈らねぇだろ?
それに試合前も試合後も電話してんのにマジで少しも気づいてねぇなんてほんとどうなってんだよ。
鈍感とかそんなんじゃなくて俺に興味がねーのか?
まぁ、そうだったとしても諦めねぇけど。

そんでもし付き合ったら俺のバスケ以外の時間は全部みさきとネロに使う。

だからそれをみさきとは言わずに“彼女”って言うと笑いながら「でしょ?」って返された。

それにみさきだって好きな奴がいるんだからもしそいつとうまくいけば俺とは会えないだろって言ったら突然笑い出した。

笑うなよ…
俺としちゃそいつが今一番怖い存在なんだから。
アメリカと日本じゃ距離もあるし、連絡とるのだってどっちかは深夜になっちまうことが多いし状況は厳しいって思ってる。
そいつがいつも側にいてやれる距離だったら俺に勝ち目はねぇんんじゃねぇかって思う。
北海道にいた時みてぇに一人でみさきが泣いてたらすげぇヤなのに俺は側にいてやれねぇ確率の方が高けぇ

俺の気なんて知らないみさきは“初恋は実らない”なんてありきたりなことを言ってる。

みさきは自分を過小評価しすぎだ。あんなウルウルした目で告られたら一発で落ちる。そんでみさきを知れば知るほど好きになる。

みさきが振られて悲しむのは嫌だけど、男ができんのも嫌だ。

「骨拾ってやる」っつったら笑いながら「真太郎に頼んである」とか言われたから緑間のことが好きな訳じゃねぇのはたしかだけど、「なんで緑間なんだよ」って聞いたら“お兄ちゃんみたいなもん”とか言うからますますどんな関係か分からなくなった。

アメリカにいたはずのみさきがなんで緑間とそんな親しいんだよ…

それに俺の骨の拾い方は緑間とはちげーよ。
振られたお前に付け込むズルい拾い方だ。
ズルくても俺はみさきが欲しい。


ふと時計に目をやると集合時間の10分前になってて話しすぎたと思って切ろうとするといつものように「行ってらっしゃい。怪我しないでね」って可愛い声で言ってくれた。


やっぱ誰にもやれねぇ。
絶対ぇ振り向かせてやる。


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