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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


sideさつき

会議室には社内の人も外部の人も何人か残っていたけど打ち合わせ内容をまとめてたら中野チーフに呼ばれて美緒と一緒に席を外した。


「黒須さんの意見をベースに役員会議に持ち込むから、資料まとめるの手伝ってちょうだい。といっても、プロジェクト自体はあたしに一任されてるから、大まかな概要でOKよ。年明けの社内プレゼンのたたき台だと思ってくれればいいわ」

「「はい」」

「にしても驚いたわね。黒須さんって見かけによらず物凄くはっきりしてるし、知識や経験、それに裏打ちされた自信って言うの?仕事のパートナーとしては最高じゃない」

「プライベートだとただの普通の女の子なんですけどね」って美緒と顔を見合わせた

「後は、年明けの社内全体へのプレゼンの用意を2人が主体になって作ってくれる?ちょっと大仕事だけど、チーム全体を上手く使って何かあれば相談して」

「分かりました」

「チーム全体の采配も動かす必要があれば報告してくれる?」

「はい」

打ち合わせを終えて戻ると佐伯さんが帰るところだった。

「これ会議室に残ってたんですけど、誰かの忘れ物だと思いますので預けていいですか?」

そう言ってみさきのボールペンを渡してきた。

え?みさきいないの?

「わかりました。お預かりします」

「会議室ってもうみんな帰りました?」

「はい。僕で最後です」って人のよさそうな笑いを浮かべて帰っていった。

それでもあたしと美緒の目はごまかせない。

「やっぱり美緒の言う通り、佐伯さんの笑い方ってなんか胡散臭い」

「さつきもそう思う?てかみさきがボールペン忘れてくなんて珍しいね」

「確かに。だってこれBOSSからもらったってすごい大事にしてていつも持ってるよね」

「まぁ夕方フライトだしなんか急ぎで片付けたいことでもあったのかもね」

「あ、そっか!北海道だもんね」

いつもはロビーまで一緒に行くけど今日は仕事が立て込んでで忙しくて帰っちゃったんだとばかり思ってあたしたちも仕事に戻った。


ちょっと残業してから帰ろうとしたら美緒からの着信とみさきからのメッセージが届いてたから返信をして美緒に連絡を入れた。

「ごめん。今終わったとこなの」

「ちょっと話したいことあるし、ウチ来れない?」

丁度良かった。美緒から誘われなければあたしから誘ってた。







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