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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


side青峰

午前中の練習を切り上げてシャワーを済ませて帰宅しようとしたところで着信が入って名前を確認すると黄瀬だった。

どうせろくなことじゃないと思って無視しようかとも思ったけど鳴りやまないコールがうざったくて出た。

「なんだよ」

出るのが遅かったせいか呆れたように“やっと出た”とか言われた。

練習上がりだと言った俺の言葉に特に何も返さずにみさきの様子がおかしいと言い出した。

寒いのが苦手なみさきが風邪をひいたのかと思ったけど、そういうんじゃなくて何かを怖がってるように見えるとか言うから、すげー嫌な感じがした。

NYで一緒に過ごした時も時々、辛そうにしたり泣きそうになったりしてたことはあったけど怖がってることはなかった。

それに昨日の電話では普通だった。

仕事で何かあったのかと聞いたけど、さつきたちとのところではトラブルはなかったらしいから余計に分からねぇ。

電話に出れるようにしとけって言われたけど言われなくてもそのつもりだった
みさきから電話してきたことなんてNYで予定を確認したときの1回きりだったから電話が来るかなんて分かんねぇけど、もしみさきが電話してきてくれたらすぐに出れるようにしておきたかった。

最後は茶化して切ったけど半分は本気だ。
付き合ってもねぇけど他の男がみさきに触るなんて考えただけで殺意が湧く。


取り敢えずさつきにメッセージでも入れるか…

(黄瀬からみさきが変とか連絡あったけどお前マジで何も心当たりねーの?今日の仕事ってお前んとことフライトだけだろ?)

(突然帰っちゃったからホントに分かんないんだよね。美緒もきーちゃんからみさきがちょっと様子変だって聞いたらしいんだけど美緒も心当たりないって)


じゃあ仕事以外って事か…?

好きな奴がいるって言ってたしもしかしてそいつとなんかあったのか?

考えてても分かんねぇし、かといって俺から電話してもそんな様子じゃ出ねぇだろうし、どうすっかな…




電話が来たら出て聞けそうな雰囲気なら聞いてみるか。
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