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最愛 【黒子のバスケ】

第8章 それぞれの場所


フライトの間もパパとのケンカを思い出していた。

両親があたしのことを大切に思ってくれてるのは分かるけど青峰君のことを好きでいることすら反対されるのは我慢できなかった。

確かに今まで恋愛なんてしてこなかったあたしに男の人を見る目がないなんてことは百も承知。
それでも一緒に過ごして“手も出さないし嫌なこともしない”って約束を守ってくれた青峰君を私は信用してる。

確かにいろんな女の人と付き合ってきたかもしれないけど今彼女がいないんだから別にあたしといることがいけない事だとは思ってなかった。
他に彼女がいるのにあたしといたらそりゃやっぱりマズいけどさ…

青峰君があたしのことを好きだとは思えないけどあたしは青峰君が好き。
既に認めてしまったことを今更“反対だ”なんて言われたってあたしだってもう元には戻れない。

逆にパパは誰だったら歓迎してくれたんだろう。
あたしと同じ一般人で普通のサラリーマンだったらよかったの?
人なんて表の顔も裏の顔もあるんだから見えてるところが全てだなんて思ってるパパの方が間違ってる。
それに一般人ならパパラッチされない分だけやりたい放題じゃないかとも思う。

もう何が何だか分かんない。

頭がごちゃごちゃで青峰君を好きでいちゃいけないのかって思えてきた。

こういう時は大我に限る。

(あたしが青峰君を好きなのってダメなの?)

時間が時間なだけに返信はないと思っていたのにすぐにメッセージを受信した

(は?なんでそう思った?)

(パパに反対だって言われた)

(人に反対されたくらいで変わっちまう程度ならやめとけ)

(今更そんなの無理)

(じゃあそれが答えだろ。この間も言ったけど、好きならそれでいい。大事なのはお前の気持ちだ)

(うん。ありがと。ママよりパパの方が過保護なのかも)

(みんなお前が大事なんだよ。少し寝ろ。時差ボケは辛いぞ)

(うん。ありがと)


大我は昔からあたしの本音をうまく引き出してくれた。自分でも気づかないことも大我は気づいてていつもあたしにそれを教えてくれた。

パパともママとも違う。でも兄弟でもない。

あたしの本心をいつも分かってそこにたどり着けるように手助けしてくれる。
ウジウジしたあたしとはっきりした大我。真逆だからこそ片割れって感じるのかも。


少し寝よ…





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