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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


side青峰

俺が目を逸らさずにいたことで何か勘違いさせたのか「あたしは騙せない」と言ってみさきを守ろうと必死になってるのが伝わってくる。

いくら一人娘とはいえ26歳の娘が男に送ってもらったくらいで警戒しすぎな気がしなくもねぇけど、さっき言ってた「もう一生分傷ついた」って言葉が全てだ。

緑間も火神も母親も必死にみさきを守ってる。
みさきに起きた“何か”は相当なことだったんだと思い知らされた。

それでも俺の気持ちは変わんねぇ。
黒須みさきって存在そのものに価値がある。

今すぐ信用してもらおうなんて甘いこと考えてねぇけど、諦めないことは伝えて、最後に俺の本心を言っておくことにした。

こんな言葉、口に出すなんて思ってもいなかった。

「俺はみさきを愛してる」

母親の目を見てはっきり言い切ると、少しだけ怒りの色が和らいだ。
黙って俺の目を見る母親から俺も目を逸らさなかった。

暫くの沈黙の後、最初に目を逸らしたのは母親の方だった。

「今日は本当にお世話になりました」

タクシーに目配せしてから発された母親の声は、最初よりも少しだけ優しい気がした。







タクシーに乗って大きく息を吐いた。

信用は全くされてねぇ。
これから勝ち取っていくしかねぇけど、母親があんな感じなら父親はもっと手強いだろうな。
殴られたりすんのか?

まぁ起こってもねぇ事考えてもしょうがねぇか……




みさきと母親ってなんか似てる。

親子なんだから当たり前なんだけど顔も少し似てて、あの意志の強そうな瞳とか声とかよく似てた。
そんで体系はそっくりだった。

それにしても

一生分傷ついたって、どんなことがあったんだよ…

絶対ぇみさきを手に入れるって決めてるけど、そのせいで傷口を大きくしたりしねぇか不安になってくる。
それでもみさきを諦めるなんてできねぇ。


俺が一緒に背負ってやれるならそうするし、思い出して辛くなるなら思い出さなくていいぐらい幸せにする。
...だから俺を好きになれ。




さっき別れたばっかなのに、もう会いたくなって、スマホの中にあるさつきと火神が送ってきたみさきの写真を見た。


すげー可愛いくて、どうしょうもなく愛しい





最終便で自宅に戻ると、誰もいない部屋が酷く寂しく感じた。


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