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最愛 【黒子のバスケ】

第7章 近づく距離


他愛無い話をしながらゆっくりお散歩を楽しんで、時々青峰君を盗み見た。

本当にかっこいい…
鼻筋が真っ直ぐで太い首は男らしくて、切れ長の目なのに優しげで、話す声は低くて落ち着いている。

好きだな…


何度目かの盗み見で目が合うと薄い唇がカーブして、大きな手が優しく頬に触れた。



「顔冷てーな。戻るか」

「うん。あの、上着ありがとう」

あたしはもうすっかり暖かいから返そうとしたのに、脱ぐのを青峰くんに止められた。


「いいから着てろ。風邪ひかせたくねぇ」

優しすぎだよ…

低めの声も、少し笑う優しい顔も
男の人を好きになることなんて一生ないと疑わなかったのに、一緒にいるとどんどん惹かれていく。


車に戻ってもう寒くないのに青峰君の匂い包まれてるのが心地よくて、まだ借りた上着を脱ぎたくない。

あたしちょっと変態かな…?
人のにおいが好きって、初めての感覚。
香水とかアロマなら好きな香りってもちろんあるけど、人の匂いを好きだって思ったのは青峰君が初めて。


「なんか飲むか?」

「うん。どこがいい?」

「好きなとこあるか?」

「あたしはLESにあるカリブーコーヒーが好き。ドライブスルーもあるし」

「じゃあそこな」


青峰君はいつもあたしに好きなものを聞いて選ばせてくれる。

「青峰君はそこでいいの?」

「ああ。あっこのデカフェはすげー好き」


ドライブスルーで青峰君はデカフェのブラック、あたしはココアを頼んで車を進めると、すごく感じのいいふくよかな女性店員さんが車の窓から青峰君にドリンクを渡してくれた。

『あなたNBAのアオミネにすごく似てるわね!いい夜を』

『お世辞が下手だな。そっちもな』

そっくりさんではなくて本物だけど、青峰君はそれにしっかり乗っかってる。
カードでもチップを含めてたけど、青峰君はその女性店員に現金で100ドル札のチップを渡して驚かれていた。

『あら、本物だったかしら?』

『今度はもっとイケメンの名前用意しとけよ』

結局偽物のまま、笑ってる女性店員さんが手を振ってくれてドライブスルーを抜けた。





「やけどすんなよ」

「このフタつけたまま飲むの怖くない?」

「あー。分かるわ」

飲みたいけど熱すぎて二人でひたすらふーふーして、結局あたしはホテルに着くまでに飲みきれなかった。
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