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最愛 【黒子のバスケ】

第26章 狂気の連鎖


この二人は何かしようとしてる。


確証はないけれど、あたしの中で警告が鳴り響いて、心拍数が上がっていく。

それでも、何も起こってない今の状態であたしが何か言えば、二人の思うツボになりかねない。

確証を掴んだら……

第三者が納得するだけの確証があったら、中野チーフに相談する。



そう決めて、何とか気持ちを落ち着かせるために大きく息を吐いて、持ってきていた自分の水を体内に流し込んだ。



落ち着いて、メイクに集中していれば大丈夫
このペントハウスには、青峰君たちもさつきたちもいる



こんな人目の多いところで何かをすれば、絶対に誰かが見てる。
冷静に状況を見て、空間で起こることを把握していれば、危険は回避できる。



パパがあたしに教え込んだことを頭の中で何度も復唱しながら、カレンの座るメイクブースのところに戻ってメイクを始めた。


『室温は大丈夫でしょうか?』

『今はこれで大丈夫よ』

エアコンの設定温度はすでに30度になっていて、いつもメイクをしている場所とは比較にならないほど暑かった。

9月中旬のNYの寒暖差が激しいとはいえ、今の気温は20度を超えているのに、30度のエアコン設定はどう考えても高すぎる。

『すみません。コールドタオルを持ってきますので少しお待ちください』


メイクをしていても、あまりの暑さに汗をかいてしまって自分を冷やすためにタオルを取りに部屋を出た。

部屋をでて更に強く感じるあの部屋の異常な温度。


備品を置いている部屋に入って、コールドタオルを首元に当てると、汗が落ち着いて、脳内も少しだけ晴れた気がした。

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