第4章 噴火
菜月の素性が明らかになった。
船内では、菜月の探し人「キッド」という男についての情報をくまなく探していた。
と、同時に、シャンクス達がこの海を逆走してしまった原因も突き止めなくてはいけなくて。
両方のことを同時にするのは、効率が良くないとベックマンが指摘した。
まずは、航路をしっかりと確保しておきたい。
キッドを探すためにも、この島からは出航しなければならないことだし、菜月も正直言って怖い目に遭った島には長くとどまりたくはなかった。
「悪いな、こっちの都合でよ」
「いえいえ、とんでもないです。協力してくださるだけでも、感謝してます」
ベックマンが謝ってきたが、菜月はぶんぶんと首を振って、気にやまないようにと自ら頭を下げた。
まずは、この島、ケモケモ島について調べなければならない。
といっても、大体のことは知ることができた。
その調査の途中で、シャンクス達は菜月と出会ったわけなのだが。
島の大きさ、気候、住んでいる動植物たち。
そのあたりの、基本的な情報はそろった。
問題はここからだった。
何故、シャンクス達の船の指針が奪われたのか。
菜月は、まだ海についても、この世界の航海についてほとんど知らない。
ただ、この島には何かあるんじゃないかと、自分の勘がそう言っていた。
いくつかの班に分かれて島の調査は続けられた。
菜月は、シャンクスと、ベックマンたちと行動を共にしていた。
またケモノに襲われたくなかったし、何より心強かったから。
「菜月、そう気を張り詰めなくても・・・だな」
「え・・・いや・・・なんとなく」
「まぁ、無理もないか!怖かっただろう?だっはっは!!」
「あ、あはは・・・はい・・・」
丁度、シャンクス達に助けられたところまで来た。
ピタリと、菜月が止まる。
続いて、ベックマンやシャンクスも。
「お頭?どうした?」
「なるほどな」
「あ?なんだよ?!」