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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第6章 帰城後から帰城に



「みーつーひーでーさーまぁぁー」
と言って顔を上げると、
光秀の膝に乗って首を締める真似をしてくる。
が、ふと、俯いて

「光秀様……
光秀様と居ると、私は、
私らしくいられたような気がしました。
だから…光秀様が帰ってしまわれると、
寂しいと言うか、
心の拠り所が無くなると言うか……。
だから、やっぱり、寂しい……かと……」

たどたどしく、素直な気持ちを
光秀に漏らすと、
瑠璃は光秀の膝に乗ったままま黙った。

(俺を心の拠り所にするのか…クッ…)

「仔猫が相手でも、悪くはない気分だな」
と笑い声で言うと、
そっと瑠璃の顎を上げさせ、瞳を覗き見る。
「俺も、お前から離れるのは、
いささか心配だ。
本当は脆いのに、心に鎧を纏い、
纏っていることさえ
必死に隠そうとしているから」
光秀は顎から手を離すと、
ギュッと瑠璃を抱きしめ、囁いた。

「賢く強くなれ、でも、汚れるな。
心が泣くような事もするな。
お前はお前だ。
いいな?」
瑠璃は小さく頷くと、光秀から離れた。

「明日、見送りに行きますね」
「お前が目覚める前に出立するとしよう」
「光秀様、イヂワル」
涙を浮かべながらも、努めていつもの様に振る舞おうとする瑠璃を光秀は、愛おしく思った。

まるで、妹を想うみたいに…



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