第31章 深想伝心 花香酔心(R18)
瑠璃の手を引いて、早々に美弥の部屋から出る。
美弥が口を尖らせて文句を言っていた。
他の奴らも 「ゆっくりして行け」とか言って
引き止めてきた。
俺の何処が好きか、なんて、美弥が聞く前に
俺が先に2人きりで聞く。
だから、引き止められても、留まらないぞ。
「帰る」
と言って、立ち上がる。
手を引かれて、瑠璃が驚いた顔で付いてくる。
城内だろうが城外がろうが、関係ない。
手を繋いだまま、歩いて行けば、
行き交う女中や、家臣達が驚いたような顔で
すれ違ってゆく。
誰が見てても、構わない。
(見ればいい)
これは 俺の女 だと見ている全員に知らしめる。
以前、瑠璃が勝手をしたことで、
「信長様の新しい寵姫」だの
「光秀の寵愛も受けている」などと思っているヤツらは、まだたくさん居る。
そんなの良い気はしないだろ。