第30章 花顔涙咲
((なんか、見ちゃいけないものを見たみたいな気になった…))
秀吉と家康は口元を隠し、視線を宙に彷徨わせる。
(瑠璃様は、あんな風に照れるんですね〜)
ニコニコと笑って瑠璃を見る三成。
「瑠璃さんでも、そんなに照れるんだね、可愛いっ」
「美弥さん…恥ずかしいからヤメて下さい〜」
小さな声でさらに、恥ずかしがる瑠璃。
どこか、隠れる処を探していそうな程だ。
照れ方が、少女のようなのだ、
(久しぶりに、こんなに照れてる瑠璃見るな)
素の反応が眩しいほど、愛らしいと、思う。
「瑠璃さんは、政宗のこと大好きなんだね〜。
何処が好き?」
美弥が問う。
「おい、美弥。それ今聞くのか?
瑠璃と2人の時に聞けよ」
政宗が嫌そうに止める。
「いいじゃない。聞いてみたいもん。
あっ、政宗、照れる?」
照れると言うより、どこが好きか なんて、
聞きたいようで聞きたくない。
政宗は強く止めはしなかったが、
人の恋の話は煮ても焼いても喰えない、と
秀吉、家康に止められ、美弥はやもなく断念した。
「今度 2人の時に聞くもーん」
今は断念しただけ、諦めてはいなかった。