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《イケメン戦国》未来から来たお姫様

第5章 朝の喧騒



数日後

朝早く、
蘇芳色の袴に縹(はなだ)色の着物を合わせた瑠璃は、厩(うまや)に向かうため
部屋を出た。
(結い紐ってゴムじゃないから、難しいな…)
結んだ髪を整えながら廊下の角を曲がったところ

「おっと」

声と共に抱き止められた。
「! すみません…」
瑠璃は頭をさげる。
「大事ないか?お姫様」
「政宗様、鍛錬、ご苦労様です」
とすぐさま、瑠璃も「様」を付けて
対応する。

(こりゃ、確かに、光秀が退屈しない訳だ)

政宗は瑠璃の切り返しの早さに感心する。
「そんな可愛い男みたいな格好して、
何処に行くんだよ」
袴を履き、長い髪を高い位置で一つに
結んでいる。現代で言うポニーテールだ。
まるで、美少年の小姓のようだ。
結んだ髪でサラサラと 手遊びをしながら、
尋ねるも。
「似合ってますか?」
と瑠璃が反対に聞くので、
「あぁ、よく似合ってる。ずっと側に付けて歩きたい位だ」
と政宗は答えてやる。

(付けて…アクセサリーみたいな?ふふふ、嬉しいな)

「あ、政宗も一緒に行きましょうよ」
クイッと腕を引く
「どこ行くかしらねーが、汗流してからじゃ駄目なのか?」
「そのままで良いですよ。ねっ」

(ねっ、って……)

こう言う時の瑠璃にはいつも面食らう。

「一緒に来たら何処に行くかわかりますよ」
と楽しそうに政宗の手を取ると瑠璃は歩き出そうとする。

こうされると政宗は大人しく従うしかない。

(政宗は意外と押しに弱いね?)

皆に対してもそうなのか、瑠璃にだから弱いのか、
そんな事、瑠璃には関係なかった。

政宗を後ろ手にブラブラと引きながら、嬉しそうに笑う。
嬉しそうな瑠璃の表情の見えない政宗は、困ったような諦めたような顔でついて行いく。

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