第15章 新年拝賀3 (謁見の刻)
「ありがとうな、美弥」
政宗が美弥の頭をポンっと撫でる。
「政宗、本当に瑠璃さん大丈夫かな」
「大丈夫だ、こうなる事は分かって来たからな」
と言う政宗だったが、気にかかっているのだ、浮かない顔だ。
「美弥、今はそっとしておいてやるがいい。
政宗、お前も今は行くなよ」
光秀が言った。
「光秀さん……うん、そうかもね…」
美弥はもう何も言わなかった。
(光秀、お前は瑠璃の事、そんなにわかってるのか?)
政宗は何を考えてるか読めない光秀の横顔を見た。
「それにしても、鉄壁でしたよ。
よくもまぁ、全く顔色も変えず、淡々と
あんな事やってのけれましたね…」
「瑠璃様は教養だけでなく、精神も高い方です。素晴らしいです!」
「おい、信長様を探っていただろ、アイツ。
しかも 拒否したんだぞ!」
ベタ褒めの三成とは反対に、秀吉は手放しでは褒めなかった。
「足下にされた事、根に持ってるのか?
あれは役得だろ。言えば俺が代わってやったものを…」
秀吉を光秀がからかう。