• テキストサイズ

白い猫の物語

第2章 願い



「はぁ...」





小さい小さいため息だったが、ふたりしか存在しない部屋にはしっかりと耳に届いた。

最近、ご主人は寂しそうな顔しかしないですね。
お仕事で何かあったのでしょうか。
そういえば、私の相手もあまりしてくれませんね。
気を使っていましたが、思えば相手をしてくれないのは自分も寂しいです。
そうだ、あれで元気になって貰えるでしょうか...

したっと立ち上がると、ゼロは自分のスペースをごそごそと探り始め、すぐにかさりとした物を口に咥えてご主人の元に歩いてく。
口に咥えてるのは猫が咥えれる大きさの笹の葉だった。
どっから持ってきたのだと言われれば、一昨日、仲良くなったご近所さんの飼い猫のココさん(メス)に頂いた物だ。
とても上品でスラリとしたアメショーのとてもかわいいお方だ。
何でもココさんの家では毎年たなばたというお祭りをするようで、お話を聞いた所とても興味深く、仲良くなった印にあなたのご主人とたなばたをすると良いわ、と、ココさんの家の笹の葉を少しくれたのだ。
なんでも願い事を叶えてくれるお祭りとココさんは教えてくれた。


だけど、私のお願い事はもう決まっています。
私は、ご主人とずっと幸せに暮らしたい。
ずっとずっと一緒にいたい。
ただ、それだけなのです。
だから、ご主人、私のお願い事はきっと叶うので、ご主人がこの笹の葉にお願い事してください。


/ 7ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp