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あの日、あの時、路地裏で。

第1章 路地裏イチャイチャ in 団長



(まずい、非常にまずい…)

ナナバとエルヴィン。
休日恒例の、のんびりまったりデート。

だが、行き交う人々の中、向けられる視線にエルヴィンは一人焦っていた。


「…ナナバ」

「ん?なに?」


呼ばれて素直に顔をあげる、唯一無二の恋人。

ほんの少し小首を傾げては、真っ直ぐにエルヴィンを見つめる。


(可愛い……)


何が、可愛いか。


表情、仕草、雰囲気、声、その他諸々。


要するに、全部。



…なんちゅーか、もう、存在そのものが可愛い。



「くす。どうしたの?顔、赤いよ」

そう言っては、指先でエルヴィンの頬をちょんちょんとつつく。

「…っ、いや、その…」



…何だ、何なんだ、可愛すぎる。
自分にどうしろっていうんだ。

…キスしていいのか?襲っていいのか?
いや、流石に、広場のど真ん中はまずい。

…あぁぁ!でも可愛い!!!
何でこんなに、可愛いのかっ!



と、ナナバの可愛さにどっぷりと浸かりかけていたところに、またもちらちらと向けられる視線。


(…―!)
(まただ…仕方ない、暫く…)


エルヴィンは辺りをキョロキョロと見回すと、ナナバの手を取り華麗に方向転換を決めてみせる。


「おいで」

「う、うん?」


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