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第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記

第1章 第一章「乖離的慣性の法則」


「今回の調査が終わるまでは、ここを自由に使って下さい。洋室が一部屋空いてて好かったです。じゃあ、私はもう眠いのでこれで。水月も部屋に戻って早く寝るのよ。」
緑針さんは、眠そうに欠伸をしながらそう言って、引き返して自分の部屋に戻って行った。
「フィっ、早く一緒に寝よっ。」
「うん、そうだね。」
「お嬢様、明日は早いですからねっ。しっかり寝て下さいね。」
「私も、付いてっても良い?」
「それは、少し危険だと思いますよ。」
「ミシアちゃん大丈夫だよ、私が身の安全は確実に守るって約束する。」
「それなら、頼もしいですね。」
私は、扉の取っ手の下げて押す。部屋に入ると、私の部屋の一回り小さいくらいの部屋で、十分に快適そうだった。何より、ベッドがダブルベッドなのが嬉しかった。部屋に入った水月ちゃんは、直ぐ様一直線にベッドに俯せに飛び込む。
「フィも早くおいでっ。」
「うん、直ぐ行くよっ。」
私も、水月ちゃんに続いてベッドに飛び込むと、水月ちゃんは少し嬉しそうに私に抱き付いてきた。
「お嬢様たちっ、掛け布団掛けますのでちゃんと横になって下さいね。」
私たちは、しっかりふかふかの枕に頭を乗せると、優しく布団を掛けてくれた。今日は部屋をしっかりは見ていないが、明日以降、ゆっくりと見ていけば良いだろう。きっとここにいる事も長くなるだろうし。
「フィ、ありがとね。おやすみっ。」
「うん、おやすみっ。ミシアちゃんもおやすみっ。」
「はいっ、おやすみなさいませ。」
水月ちゃんは、私とミシアちゃんの間に入って来て、私にぴったり密着してきてしっかり抱き付いて眼を閉じていた。その姿に、笑みが零れたが、明日の事を考えると、私も直ぐに瞼を下ろした。
「おやすみ...水月ちゃん。」
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