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第零世界「メレンス」ースカ―ヴァイス・フィレアの章 始記

第1章 第一章「乖離的慣性の法則」


 ある世界では、世界間での争いが絶えず続き、次々と世界が消滅していった。ある世界では、「これは、よくある事だ」と、いつも他人事で目を背けて済まそうとした傍観者がいた。「世界の数が多いから」、そう言い包める者もいた。世界を纏める、統一する者がいなかったから。しかし、この状況に異を唱える者もいない訳では無かった。ただ、少数だっただけ。その彼女らが、後の統一神「ツェントルム」になる事になる。中心を意味するツェントルムは、多くの世界に出向き、平静を誓い、争い合う世界に終戦を願った。結果が出るまで時間はそう掛からなかった。やがて、ツェントルムは各世界から代表を挙げさせた。その人たちはツェレと呼ばれ、自世界の平静に務め、他世界との会合も多く行った。繰り返す事に、彼ら彼女らは共通の法書、「中心法書」を創る。荒れ果てた荒野が、緑溢れる草野へと変わった瞬間。誰もが密かに望んだ世界に。理想と現実。現実はいつも曖昧で脆かった。それでも誰かがもう一度立ち上がろうとするだろうか。ある人は言った。「私たちは、誰にも開けられる事は無く、内側から開ける事の出来ない鳥籠の中にいる。」と。
                       ―――(アクテ-ミント)―――
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