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ビタンズの惨劇

第8章 断罪




それから私は、フラリと立ち上がり、部屋の窓の脇まで歩いていった。
ロウソクの灯りも届かぬ暗い壁には、大中小の剣がかけられていた。
私は1番大きな剣を手にとった。
重たいそれを右手に提げて、ゆらゆらと彼に近づいた。
彼はずっとずっと紙束に目を向けていて、真後ろに立つ私のことなど気づいてもいなかった。
机の上には大きなロウソクが2つも3つも燃えていて、彼のうなじがよく見えた。
私は重たい剣を、高々と頭上に上げた。
この人は産まれてきてはいけなかったのだろう。
重力と力にまかせて、思い切り振り下ろした。

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