• テキストサイズ

【黒子のバスケ】幻の7人目

第9章 9Qー権力行使



「テツヤ……。」

そっと声をかけると、汗で濡れた水色の髪を揺らしながら振り向く。

キョトンとした顔でこちらを見るテツヤ。

あれ…。
思ったより落ち込んでないっぽい。

「大丈夫?」

「はい。」

「ならいいけど…。」



少し間が空いてから、テツヤ再び口を開いた。

「名前が、僕なら大丈夫 と言ってくれたときから、弱音は吐かないって決めてるんです。」


優しく微笑みながら言ったテツヤ。


本当にこいつは強いな…。



「………私も走る…!」

「え……。」

「ちょっと走り足りないって思ってたしね。」

「でも…。」

私は躊躇するテツヤの手を取り、グラウンドを指差す。

「早く行こ?」

私がそう言うと、テツヤは少し驚いた顔をしてから、ふわりと微笑んだ。


「その前に…。何か羽織らないと風邪をひいてしまいます。」


そう言い、体育館の脇のポールにかけてあった私のパーカーを手渡してくれた。
/ 208ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp