第3章 まさかの
「あのさ、ぶんちゃん」
「おーなんだ?」
「なんか変な夢見ちゃってさ…私、みんなのことなんて呼んでた?てか、部活なんだっけ?」
「…は?」
仁王がいない隙にぶんちゃんに話かける。
アイツに聞かれるともしかしたら中身が違うと気付かれてしまうかもしれない。
だから、ぶんちゃんが1人の時を狙うしかない。
「お前、どうかしたのか?」
「いや、だから変な夢見て現実と区別つかない」
「…大丈夫か?お前は男子テニス部のマネだろ?いつも俺らと打ちあいしてるじゃん」
「…は?」
「それに、大体苗字に君付けだったぜ?幸村くん、真田くん、柳くん、柳生くん、ジャッカル、赤也くんってな」
「なんでジャッカルだけ呼び捨て?」
「知らねえよ (笑)」
てか待って?
いつも俺らと打ちあいしてるじゃん????
テニヌプレイヤーと打ちあいなんか出来るわけなくない?
「…まさか」
まさかと思い、携帯を取り出し、『 』と検索をかける。
すると、『天才プレイヤー』『美少女テニス選手4連覇達成』の文字が。
「…やっぱり」
「お?どうしたんだよぃ。自分の記事なんて見てよ」
「…!見ないでよ!」
「はぁ!?別にいいだろぃ、いきなり話遮断されたから気になっただけだ」
「…はあ…」
どうしよう、テニスなんてしたことないよ。