第8章 そこでも最強かよ。
「先輩!ゲーセン行きましょうよ」
「ゲーセン?」
「あ、ずりい。俺も行く」
「また丸井先輩すか!今日こそ2人で行きたかったのに!」
「大丈夫だって。帰りにラーメン奢ってやるから。…ジャッカルが」
「おい、俺かよ」
あー、生でぶんちゃんとジャッカルの小ネタ見れたなあ、とか呑気に思っていたけれど、ゲーセンとは懐かしい響きである。
いじめられていた頃は、家にも学校にも居場所がなかったから、一日中ゲームセンターに行ってゲームばっかしてたっけなあ。しかも、100円で何プレイ出来るとか決まってるやつじゃなくて、勝ち進んだら永遠に終わらないやつ。
「じゃあ4人で行こうよ」
「おー」
「もういいっすよ…」
「俺もかよ」
「ジャッカルは来なきゃ意味ねーだろー」
「今からっすか?」
「実は今日部活休みなんすよ!」
「また?」
「またって…前のはもう1ヵ月近く前じゃないすか。まあオフがあるのは珍しいけど…」
「それもそうか」
「ってことで!今から行きましょ」
「え?まだ5、6限終わってないよ?」
「なーに硬いこと言ってんだよ。行こうぜ」
「ええ…」
「今日ぐらいサボろうぜ、な、ジャッカル」
「俺もサボるの確定かよ!」
サボる…ねえ。
まあ、私もサボるっていうよりそもそも学校行ってなかったけど、テニス部みたいに毎日目が回るほど部活に明け暮れて休み日は部活の友達と遊んで、学校も友達がたくさんいて…そんな生活ってきっとすごく充実してて楽しいんだろうなあ。
羨ましい、とは思いつつふと思い返すとここに来てから1ヵ月も経っていた。ということは残り11ヶ月。
1ヵ月って楽しいとこんなに早いものかと、思った。