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【 イケメン戦国 】宵蛍 - yoibotaru -

第3章 刈安色 - kariyasuiro -





「ここが亜子様のお部屋です。」



広間での話が終わった後、私は石田三成に連れられて城の中を案内してもらっていた。



「皆様の御殿もまたご案内致しますね。」
「…はい。ありがとうございます。」



にこにこと人のいい穏やかな笑みを浮かべる彼は、あそこにいたどの武将よりも話しやすい。

他の人は、迂闊に近寄れない雰囲気があるもの。

佐助くんは居なくなってしまったし、これからどうすればいいのか分からない私にとって、彼の優しさはなんだか暖かかった。



「私には畏まらなくて良いのですよ。」
「…え?」



畏る私を見て、慌てたように言う彼の次の言葉に驚いた。



「仮にも亜子様は、織田家ゆかりの姫というお立場になります。私のことは三成とお呼び下さい。」
「…そんなこと出来ません。私はただの、」
「私も皆様の中では身分の低い出なのです。どうぞ、お好きにお呼び下さい。」



戦国武将を呼び捨てにしていいのか分からなくて戸惑う。信長様が姫として扱ってやるって言ってたのは本当なんだ。

彼は身分の低い出だと言うけれど、私だって姫じゃない。でも笑顔を崩さない彼は、なんだか譲ってくれない気がして、三成くん、とそう呼ぶことにした。私が三成くんと、呼ぶなら、三成くんも呼び捨てで呼んで畏まらないで下さいと言っても、彼がうん、と言わないのがこの時代の身分の差を表していると思った。

他の方々はきっと敬称をつけて様と呼ぶのが正しいんだろう。フルネームで呼び捨てなんてしてしまった日には、次こそ許してもらえないかもしれない。



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