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I’m addicted to you #短編集

第2章 I'm addicted to you


一瞬、迷った。寝惚けていたのだろう。今居るのは自分の家ではない。其だけは頭から引っ張り出せた。恋人の家だとは一分程で思い出せた。

(えぇっと...、ピル...。)

一瞬迷った少女、もちは机の上のコップと発情抑止剤に手を伸ばす。

不幸な事にΩ性(オメガ性)に産まれ、幼少期から周囲に忌み嫌われ続けた。そんな中出会ったα性(アルファ性)の恋人、日吉若。Ω性が一番劣勢とされるこの社会で、一番優勢とされるα性の若が自分を選んで番(つがい)となってくれたのはもち自身、嬉しさ四割、感動四割、「自分でいいのか」という驚き二割だった。確かに苦労はつきものだが、一途で気の利く若の支えもあり、幸せに過ごしている。若の穏やかな寝顔を見つめるのもまた、幸せの一つだともちは言う。
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