第2章 華守
♪〜願いましょう〜
♪〜其の命が輝けることを〜
♪〜知らせましょう〜
♪〜時の終わりを〜
真っ白な華がどこまでも咲く、丘の上で少女が歌う
その歌は、華をより一層咲き乱れさせた
「全てを見ましょう...リューゲ......今日は何本枯れてしまった?」
《1,652本》
「そう...では、何本咲いた?」
《994本》
「ありがとう」
少女は茶色く枯れた華を、哀しそうに愛で、摘み取った
そして、新しく咲いた小さな華の傍にそっと置いた
「さようなら...古き命。そしてようこそ、新たなる命達」
《...》
少女が腕を降ると、星のような小さな光が華を包み、美しく輝かせた
そして、振り上げた手は雨雲を作り、華に水を与える
《寂しくない...?》
「今更よ。もう慣れた。600年も、ここに独り」
少女は切なそうに微笑みながら、華の丘を後にした
《リオノーラ...》
少女は命の華を護る守護者
彼女に自由はない