第3章 【Free!】橘真琴
*真琴side*
『橘くん、そこのお皿取ってくれる?』
まただ…。
橘くん…昔みたいに“まこちゃん”って呼んでくれたらな…
「はい…。」
『はい。準備出来たよ。』
「食べよっか。いただきます…。」
『いただきます。』
なんだか、会話が弾まない…
『美味しい!』
「そうだね。」
そう言ったきり無言で食事を済ませた。
『…。』
「…。」
どうしよう…。聞きたいことはたくさんあるはずなのに…。
向こうでの生活の事とか、あるはずなのに…。
俺の口から出た言葉は…
「楓ちゃん…。おれ、小さい時から楓ちゃんのこと…好きなんだ…。」
そしたら、楓ちゃん、キョトンとしてると思ったら急に泣き出しちゃった。
「ごめん。そんなに嫌だった?ごめんね。」
しばらく、学校いけないかも…そう思っていた時…
『ち、違うの。私ね、今すごく嬉しいの…。橘くんに好きって言ってもらえて…。』