• テキストサイズ

ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第5章 姫巫女と最初の友達


「それで、どうなったの?」

 身を乗り出して続きを促すハリーに、ロンは「なーんも」と軽く答える。

「だから大ニュースなのさ。捕まらなかったんだよ」

 グリンゴッツに忍び込むなんて、きっと強力な闇の魔法使いだろう、とロンの父は推察ししたらしい。

 だが、犯人は何も盗っていくことをしなかった。

 ならば、いったいなんの目的で侵入したと言うのだろう。

「当然、こんなことが起きると、陰に『例のあの人』がいるんじゃないかって、みんな恐がるんだよ」

『例のあの人』。

 魔法界に来たからだろうか。
 それとも、ハリーと知り合ったからだろうか。

 その言葉を聞く度に、今まで以上にザワザワと胸が薄気味悪く波を打つ。

 車窓には荒涼とした風景が広がり、整然とした畑は見えなくなった。
 森や曲がりくねった川、鬱蒼とした暗緑色の丘が通り過ぎて行く。

 やがて、ロンは魔法競技のクディッチの話をし出した。

 曰く、世界一面白いスポーツらしい。

 ボールは四個、選手は七人。
 箒で空を飛びながら、ボールを奪い合い、相手のゴールにボールを入れる競技のようだ。

 ロンが兄たちと観に行った有名な試合や、欲しい箒などの専門的な話になろうとしたところで、またコンパートメントの扉が開かれた。

 現れたのは、体格のいい二人の少年を引き連れた、青白い顔の少年だ。

 ハリーは青白い顔の少年に見覚えがあるようで、数度緑色の目を瞬かせる。
/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp