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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第21章 姫巫女と一年の終わり


「僕たち、シオンから大体の経緯は聞いたけど……」

「《賢者の石》は壊すんですって。ハリーもダンブルドア先生と話して知ってるわよね?」

 シオンたちが来る少し前に、ダンブルドアが話に来たことは知っている。
 彼は、忙しい合間を縫っては、ハリーの様子を見に来ていたらしい。

「ダンブルドアは何て言ってたんだい?」

 ロンの問いかけに、ハリーは一つ頷く。

「シオンから話を聞いてるなら重複するところもあるかもしれないけど……」

 ハリーが話して聞かせてくれたのは、概ねシオンが知っている事実と変わらなかった。

 無理やり《みぞの鏡》の前に立たされて鏡を見ると、鏡の中のハリーが勝手に動き、《賢者の石》をポケットに入れてしまったのだという。すると、現実にハリーのポケットに『石』が入っていた。

 ヴォルデモートがその事実に気づき、クィレルにハリーを襲わせたが、彼が触れるとクィレルの身体が大火傷を負ってしまうこと。
 それは、ハリーの母親が遺した『愛』という"印"によるものであること。

 それから、スネイプがハリーを憎んでいるのは、互いに嫌い合っていたはずのハリーの父親――ジェームズ・ポッターが、スネイプの命を救ったからだったらしい。
 借りがあることに我慢ならなかったスネイプはこの一年間、ハリーを守るべく全力を尽くした。そうして借りを返し、再びジェームズとの思い出を憎もうとしたのだ。
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