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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第20章 姫巫女と大いなる闇


「次のクィディッチの試合でスネイプが審判を買って出たのも、私が妙な真似をしないよう、見張るためだ」

 グリフィンドールが優勝するのを阻止するために審判に立候補した。
 学校中の教師や生徒はそう思っていたし、スネイプも否定しなかった。

 何がきっかけだったのか定かではないが、スネイプはクィレルが《賢者の石》を狙っていることを知り、ずっと警戒していたのだ。

 ハロウィーンでのトロールの件も同じ。クィレルの思惑に気づき、真っ先に四階の廊下にある隠し扉へ向かった。
 三頭犬(ケルベロス)のフラッフィーに足を噛みちぎられそうになりながらも、必死に《賢者の石》を守ろうとしていたのだ。

 月映の言う通り、スネイプは不器用な人間だ。自ら憎まれ役を引き受けたのだ。

「……全く、随分と時間を無駄にしたものよ。どうせ今夜、私がお前たちを殺すというのに!」

 クィレルがパチンッと指を鳴らす。すると、どこからともなく縄が現れ、シオンとハリーの身体を拘束した。

「う……っ!」
「あぁ……!」

 腕や身体に力を入れてもがくが、まるで《悪魔の罠》のように、抵抗した分だけ絡みついてくる。

「お前たちは生かしておけない。色んなところに首を突っ込んでは私の計画の邪魔をする。ハロウィーンのときもそうだ」

「あなたがトロールを入れたんですか?」

 固い声音で尋ねるシオンに、クィレルは「そうだ」と大仰に頷いた。
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