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ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第13章 姫巫女とクィディッチ


「頑張った僕に、ご褒美をくれる?」

 耳に吹き込むように囁かれて、少女の肩がビクリと跳ねた。
 すると、後ろから思い切り腕を引かれ、バランスを崩しそうになる身体を誰かが支えてくれる。

「あまり、シオンさまに近づくのは止めて下さるかしら? ジョージ・ウィーズリー」

 シオンと同じ黒い瞳に怒気を孕ませ、ヒマワリがジョージを睨みつけた。

「ふーん……ま、そこまで言うなら、ご褒美は諦めるよ」

 ジョージが肩をすくめる。

 しかし、それで終わらなかった。
 ジョージはシオンの頬に手を触れ、その反対側の頬に口づけを落としたのだ。

「へ……っ⁉︎」

「……し、シオンさま⁉︎」

 軽いリップ音に顔を赤く染めるシオンに対し、ヒマワリが怒りで肩を震わせる。

「な〜んてね! ほんとはシオンから貰いたかったんだけど。今日はこれでいいや! じゃあね、シオン!」

 そう言い残して、ジョージは箒に乗って去って行った。

「シオンさま!」

『シオンよ!』

「は、はい!」

 なぜか新たに現れた月映とヒマワリがシオンに迫る。

『シオン、まずは顔を洗うのだ!』

「そうです! いえ……シオンさま、ひとまずこのハンカチをお使いになって」

 無理やりハンカチを握らされると、ヒマワリは怒りと悲しみの表情で少女を見た。

「それと、ジョージ・ウィーズリーは要注意です!」

『二度と口を利くでない! 視界にも入れるな!』

「え……⁉︎ えっと……それは、ちょっと……」

 二人(一人と一体?)の気迫に気圧されながらも、シオンは頷くことだけはしなかった。

* * *

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