• テキストサイズ

ハリー・ポッターと龍宮の姫巫女

第13章 姫巫女とクィディッチ


「ハリー、大丈夫?」

「うん、僕はね。でも、『クィディッチの今昔』は没収されちゃった。『図書館の本を郊外に持ち出しちゃいかん』って。きっと、規則をでっちあげたんだ!」

『クィディッチ今昔』……確か、箒に乗る授業の前に、ハーマイオニーが読んでいた本だ。
 クィディッチに出場することもあって、ハリーも読み始めたのだろう。

 ブツブツと文句を言うハリーに、シェリルが「大丈夫」と頷く。

「クィディッチのことなら、あたしが教える。反則だって、七百全部言えるし……本みたいに面白くは話せないけど……」

「な、七百……⁉︎」

 クィディッチに七百も反則があることに驚きすぎて、本を取り上げられたというハリーの話が、シオンの中で一瞬霞んだ。
 反則の数が多いのは、それだけ危険な競技だということだろう。

 一生懸命に励まそうとするシェリルに、ハリーも幾分か気持ちを持ち直したようで、「ありがとう」と微笑む。

「それにしても……スネイプ先生、足を引きずっておられましたが、怪我でもなさったんでしょうか?」

「あら、そうでした? シオンさまが可愛らしく震えていらっしゃったことしか、分かりませんでしたわ」

「え? えっと……ご、ごめんね……?」

 確かに、スネイプが怖くてヒマワリの背中に隠れてしまったが、そんな風に思われていたのか。

「ヒマワリ。あなた、シオン以外にももう少し気を配るべきだと思うわ」

 マリアが指摘するが、ヒマワリはツーンとそっぽを向く。
 どうやら、聞き入れる気はないらしい。

「スネイプのことなんて、知らないよ。歩くのも痛いくらいヒドイと嬉しいけどね」

 忌々しそうにロンは言うと、空気を変えるべくシャーロットが別の話題を切り出した。

* * *

/ 362ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp