第5章 入社試験
中島side
目が覚めると天井が見えた。
布団で眠っていたようでいつもの様に躰は痛くない。
なんて幸せなんだ…!
つい先日までの野宿とは大違いだ!
♪〜
電話?どうしてだろう…?
敦「もしもし…」
太「おはよう、敦くん。昨日はよく眠れたかい?」
太宰さん!?如何して急に?
敦「はい、野宿なんて比べ物にならないくらい…」
太「それなら良かった…時に敦くん、今私は命の危機に直面しているのだよ。」
命の危機!?そんなことを如何して僕に…?
太「今から私の指示に従うんだ。」
敦「はい!」
社員寮前ー
…え?
太宰さんの指示に従って寮の前に出てみたら…ドラム缶の中に太宰さんがいた。
何やってるの、此の人?
敦「何があったんですか?まさか、敵の罠!?」
太「否、自分で入った。」
此の人…大丈夫なのかな?
敦「えいっ」ゴトン
太「うわっ!」
すみません、太宰さん…こうしないと出られませんよね。
敦「他の同僚の方にに助けは求めなかったんですか?」
太「電話したよ?そうしたら皆なんて応えたと思う?劉娥以外の皆口を揃えて、おめでとうございますーだってさ。」
敦「でしょうね…あ、でも劉娥さんは何て言ったんですか?」
太「慌てた様子だったよ。でも今日はどうしても外せない仕事があってね、朝早くに部屋を出ていったのだよ。」
敦「そうなんですね…ん?あの、太宰さんと劉娥さんって同じ部屋に住んでいるんですか?」
太「うむ、私達は血の繋がった兄弟だからね。一緒に住むに決まっているだろう!」
敦「お二人共仲がいいんですね。」
太「そうだろう!劉娥はとっても可愛いんだ!」
何て嬉しそうに話すんだろう。
それ程仲が良いって事なのかな?
あれ、若しかして今日一応平日…
敦「すみません、太宰さん…仕事の方は大丈夫なんですか?」
太「嗚呼、そうだったね。敦くん、先刻君に助けてもらったお礼として私が特別に君の仕事を斡旋してあげよう!」
敦「いいんですか?」
太「勿論!それじゃあ早速行こうか!」