第4章 不運
遼side
「お疲れ様です。」
「おぉ。」
須賀野が車を運転してくれ、やっと仕事から帰り着いた。
「結局、また返済しませんでしたね。」
「・・・だな。まぁ、赤字の心配はこっちにはないし、むしろアイツらが返さない度に返済額がふえるだけだ。」
「・・・あなたって人は本当に悪魔ですね。」
「ヤクザしてんだからこんなの普通だろ。」
屋敷内に入り、自分の部屋に向かう。
そう言えば、遥が歓迎祝してもらうとか言ってたな。
この時間ならまだやってるかもな。
俺が行ったところで盛り上がるのか?
「どこに行くんですか?」
「和室にな・・・っ!」
この匂い・・・
「坂間さん・・・」
「お前も感じたか。」
Ωの匂いだ。
ここには遥しかいない。
発情期だ。
「須賀野、薬を用意してくれ。近くに薬局があるはずだ。」
「分かりました。」
なんでこんな時に・・・
アイツも自分で分かってたはずだ。
急がねぇと・・・αに食われる。
走って和室に向かう。
徐々に匂いが強まる。
「遥!!」
「坂間さん!!」
山田が遥の頭を冷やしながら俺の名前を呼んだ。
中原は遥を抱えていた。
部屋に運ぼうとしていたんだろう。
「中原、あとは俺がやる。」
「・・・。」
「中原?遥を渡せ。」
少し躊躇いながらも遥を渡す。
俺に疑いの目を向ける。
何かあったのか?
「はぁ・・・はぁ・・・さかま・・・さん////」
「今部屋に運ぶ。待ってろ。」
遥の身体がビクビクと反応している。
今回のヒート期は酷いようだ。
というか、遠くでもフェロモンが届いていた。
こんなんじゃ危険だな。
正直、俺も今の状況で、耐えれるか分からない。
「はぁ・・・さかまさん・・・はぁ・・・触ってください・・・////」
っ!?!?
「っ!いや・・・今のは・・・その違くて・・・////」
あっ・・・ぶねぇ・・・
その気になりそうだった。