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【ヒロアカ】コスミックロジカル【裏】

第13章 お帰り


一ヶ月、文化祭も明けてしまい、お互いの約束も果たせぬまま過ごし、関東圏でも少し雪が降った。
積もりそうな大きな粒に、明日は雪かきの予定を組むかもしれないと想定して、チーム編成を考える。
セキュリティの重い門の前で、遅れそうなのを予測しつつ、それでも早く来て欲しいとそこで待つことにした。
張り合って早めに終わらせてくれそうな爆豪と緑谷を組ませ、効率的に終わらせてくれそうな轟と飯田のセットは我ながらいいかもしれない。
コートの替わりの寝袋を羽織直し、この四人に任せようと決めたところで、黒い一台のタクシーが止まった。
やっと来たか、と自動ドアが開くのを待った。
「待たせたね」
「こんな天気ですから」
鼠の影がマフラーを巻き直しながら、車から降りた。
後ろにいる少女が礼を言いながら、ふとこちらを見上げる。
「先生、ただいま戻りました」
「…お帰り」
少し髪が短くなっただろうか。
それ以外の変化は特になく、華奢な身体がゆっくりと降車する。
色々話したいことがあったが、今はその無事な姿を見たら、何も言えなかった。
こんな、照れのような感情はいつ以来だろうか。

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